また指導者としての姿勢や信念(独創性、チャレンジ精神、有言実行、全力投球、人間性)に、読者は情熱とカリスマ性を感じさせられるにちがいありません。中でも「心に響く言葉を使う」という姿勢は、本書の中にしっかりと貫かれています。(とにかく、わかりやすい!!)ここに小嶺監督の味(魅力)があるのでしょう。最近、菅原裕子さんの『コーチングの技術―上司と部下の人間学』( 講談社現代新書)を読んだばかりなので、その具体的な実践論としてしっかりと頭に入ってきました。S級サッカーコーチングの手法がしっかりと監督のこれまでの教育信念と組み合わされ、効果的に人間教育に活かされていることは明らかです。
小嶺監督の信念が5つにまとめられて語られる章があるが、その中で小嶺は「人間教育のできない指導者は二流」と言い切る。人間が育つのが先か、サッカーという技術が先か、という岐路に確固たる結論を出せずに迷う指導者は必読。ゼロからでも世界に通じるものを創ることができる、という勇気が湧いてくる。