また、実際の製品設定例も載っており、参考になる。
負荷分散の全体像を把握しているという点では、他に類書がないこともあり、お勧めできる。
ただし、あくまで技術解説が中心であり、運用上の実例(セッション数が増加した時の対応)に関する解説が乏しい(4章に「パフォーマンス指標」の説明があるが、「接続数」や「スループット」を監視しなさい、というだけの内容であって、具体性に欠けている)。
さらに、マルチホーミングなどの最新技術には対応していない。
詳細な具体的実装方法については、やはりベンダーからのマニュアルを参考にすることになると思うが、不可分散についての概要を知るに当たっては参考になった。
ありがちな難解な表現で書かれた輸入本ではなく、比較的わかり易くかかれているのがこの本の特徴だと思う。
実際に実装するに当たっては、やはりこの本以外にネットワークについてのある程度の知識は必要である。
ただし、実際の環境に即した最適化という部分では、やはり個々の環境に依存する部分が多いため、詳細には触れられていない。そういう情報はやはり英語版のマニュアルを熟読するほかないようである。
また、SSLなどの処理については日進月歩の部分があるため、内容的には追いついていない部分も見受けられる。
とはいうものの、技術的評価などを必要とするプロマネ・クラスの人たちには大変役立つに違いない。意外とこのような体系的な概略本は少ないからである。