が、これを日本版の決定打といわずしてどうしよう。英国初版出版時の表紙に挿絵はトールキン本人の手になる。馴染み深い瀬田訳は日本語の柔らかさを改めて感じさせ、余計なものはそぎ落とされた、ただ中つ国のちょっとのどかな冒険活劇を楽しむためのエディションではないだろうか。実際、少年文庫版も持っているが、このエディションが出て以来、こちらばかりを手に取ってしまう。この本の持つ温もりが、つい、そうさせるようなのだ。
本というものの持つパッケージングの魔力を体現する一冊、それがこの『ホビットの冒険』のように思う。
私は頭が悪いので、これですら時々現時点の場所がわからなくなったりしたのですが、そのとき役立ったのがトー!!!キンの書いた地図。文庫は安いけれど、やはりこれは単行本で読まなくては。
そして瀬田先生の訳について読んだ方が賛同するのも、すごくよくわかる。river runnningを早せ川、misty mountainsを霧ふり山連山など、本当に名訳だと思います。ちなみに「ゴクリ」は原文ではなんというのか、(まさかgokuriじゃないでしょうね?)今度は原文を読みたくなりました。それと、もちろんトールキンのほかの作品も!