ただし、養老孟司が科学者(というか医者)特有の「無機的な理」を、
強引な論理構成でねじ伏せるように伝えようとしているのに対し、
福本伸行は、養老孟司と極めて近いレベル(おそらくはこの種の問答の到達点)に達していながら、
養老孟司よりはるかに明快かつ感動的に伝えている。
養老孟司が注目を集めるようになった今(2004年10月)でこそ、
この種の考え方は我々の共通認識になりつつあるが、
2年以上も前にこのような作品があったことは驚愕に値する。
両氏の思考レベルはほぼ互角(というかどちらもほぼ到達点)ながら、
「メッセージ」という面で見ると、
福本伸行の方が圧倒的に明快で、優れている。
また、あいまいな表現によって、
作品から偶発的に生まれたメッセージではなく、
確信をもって、ひとつのメッセージを、
明確に伝えていることを考えると、福本伸行は「超」がつく天才。
特に「天」のラスト3巻(16〜18巻)は秀逸だ。
ぜひみなさんも福本伸行、養老孟司両氏の作品を
自分なりに比較してほしい(養老孟司の本も突出して優れているので)。