自分も競走馬と多少でも関わりを持つ身の上。
「登録抹消〜乗馬」という意味は、自分の一口愛馬のその後を追いかけるまでは全く知りませんでした。
確かに毎年1万頭もの乗馬が必要な国とは思えません。
あなたの周囲で一年に数回でも乗馬を楽しむ人がいますか?
あなたが競馬が好きで、多少でも馬がかわいいと思い、その将来をふびんと思うなら、馬に乗ってやって欲しい。荷物も運ばず、戦争にも行かない馬が生きてゆくには、人を乗せるしかないのです。
生産されるサラブレッドの多くが4歳の誕生日も迎えずに淘汰されてゆく。「喰って供養でいいじゃないか!」という人もいます。確かに、すべての馬は救うことはできません。ただ、著者が言う、「最後は安らかに、美味しいものをほおばったまま、キョトンとして逝かせてあげたい」、これこそが人のために働いてきた競走馬達への供養ではありませんか?
できればすべての競走馬達がこのような最期を迎えることができるようになって欲しい。動物を生かすための獣医さんが、安楽死をさせることへの葛藤もわかる。けれども、人間のために生産され、最期を迎える馬のことを最優先に考えてあげて欲しい。
読んでる時は泣けたけど、読み終わってとてもすがすがしかった。
競馬界がタブーとしている、「競走馬達のその後」という暗い陰に、著者が陽をあてて、皆さんに語りかけます。
この本は、中古ではなく、新本を買って読んでください。その一冊がまた、誰かの最期に陽をあててくれるかもしれないのです。
著者には、負けずに続けて欲しい。
私も今度こそ自分の愛馬を見失うことなく、最期まで共に生きてゆけるよう頑張ります。そのためにも、乗馬の楽しさを一人でも多くの方に伝えてゆきたいと思っています。
テーマがテーマだけに、「馬がかわいそう」といった感想をどうしても抱きがちだ。それはいいと思う。
ただ、こういった馬の命の話をする場合、我々の多くは彼女達の様な生産者ではない事を忘れてはならないと思う。
馬の命については真摯であらなければならないと思う。ただ、そこにもメルヘンの世界ではなく
厳しい現実がある。自分には、馬の処分に対して非難を向ける事がどうしてもできない。
渡辺さんがやっている事はいいと思う。だが、「痛みを受けない立場」の競馬ファンがこれを読んで
「こういった生産者がいるんだ、これはとてもいい事だろう、他の所もやればいいのに」
と自己満足な完結の仕方は最も危険ではないかと思う。
馬の終わり方を求める事に難しさがあるのは、命を軽く考えているからではなく、
例え馬の生き死にについて考えるにしても、経済的な事情という現実的な問題が常に付きまとうから、
そういった「厳しい現実」を絶対に無視はできないからではないかと思えた。
お金がなくともなんとかなる問題ではない。だからこそ厳しく、ドロドロしている。
少し気になったのは、ネット上の感想を見渡してもそのほとんどが、馬には同情してもその世話をする牧場
の現状には一切触れられてないものの多いこと。馬の事を考えているのは彼女だけだと思われてるのだろうか?
ある意味この本は、今窮状にある馬産地からの"喘ぎ"の一つなのではないだろうか。
馬の命だけでなく、馬産地の現状、そこに関わる人達の思惑!事情も踏まえて読むべきだと思う。
そうしなければ、折角筆者が書き出した裏側の部分が、「命の尊さの問題」とオブラードにくるんだまま
キレイに消化されてしまう。