真剣勝負――オリンピックの柔道やレスリングを否定するつもりは毛頭ありませんが、この真剣勝負というのが、見ているものにとってはどれほど無為なものであるか、そしてプロレスに携わる人たちがどれだけ観客を沸かせることに腐心してきたか、それをハッキリ知らしめているという点で、爽快感さえ覚える本でした(だからといって「プロレス界は素晴らしい」というプロレス礼賛をするつもりもありません。念のため)。
ただ、これは卑見ですが、見る側が肉体的・精神的に成長していく過程で、プロレスに筋書きがあるということを、悩み、疑いながら最終的に自分で気づく所に本来の価値があるのではないかと思います。ちびっこファンには、せめて高校生くらいになってから読んでほしい、そんな気もします。
また、高橋氏の「ストーリー作成の専門スタッフをプロレスにも導入すべき」との主張にはまったくもって同感致します。
プロレスファンが、見て見ぬ振りをしていた部分を、
解っているけどそれを言ったらお終いじゃんという部分を、
強烈に抉っています。
しかしながら単なる「暴露本」では無く、
著者の「プロフェッショナルレスリング」に対する
深い愛情が感じられる、そんな本です。
プロレスファンなら、「あいたたた」と感じながらも
「そうだよなぁ」と頷いてしまう1冊だと思います。
プロレスに筋書きがあることくらい今となっては常識ですが、ここまで裏事情を暴露されると、逆にプロレス(芝居)の奥深さを知ることができます。私はプロレスぎらいの総合格闘技ファンですが、かなり興味深い内容でした。両者を混同させずに共存させるという意味で、著者の意見はとても参考になるものだと思います。