たとえば。
小気味いい単語の列挙がリズムを刻みます。文がメロディを奏で、文字で小節を埋めて
いきます。ふっ、と旋律が低くなったかと思うと、にわかにテーマが響き渡り、再びビートが
身体を動かします。静と動。緩と急。マイナーとメジャー。そんな風にして文章が、途切れ
ることなく「僕」のダンスミュージックを紡ぎ出していきます。「僕」の「ステップ」が止まらな
いように。
転調を繰り返す音楽は「僕」にどんな「ステップ」を踏ませ、どこに導いていくのでしょうか?
ちなみに、「ダンス・ダンス・ダンス」単体でも、面白く読むことはたぶん可能です。
しかしながら、より滑らかな「ステップ」を楽しみたい方には、「風の歌を聴け」から続く
「僕」物語三部作を一読することをお薦めします。