「人間をいじめればいじめるほど(つまり搾取)利潤が増えるって
一体どういうこと?」「っつーかライン作業って何なのさ?」
大学で経済学を学ぶ者だけでなく、中高生に至ってもその後の人生
の大部分を労働に捧げる労働者予備軍としてぜひ読んでもらいたい。
喜劇王チャップリンの伝説の名作「モダンタイムズ」をレンタル
ビデオ屋で借りて見れば2時間もせずこのテーマのあらましは分かる
といえば分かるのだが、「活字」というメディアが人間の脳に
与えるインパクトの大きさを知るならば、ぜひこの作品を勧めたい。
途中経済学徒を例に取ったが、本書の著者が実行した取材方法は
社会学を学ぶ学生の「現実感ある調査」の参考にもなるだろう。
苛酷かつ意味を見出せない単純な労働によりいかに人間が破壊されてゆくのかということを毎日つづられていた日記を元に書かれている。トヨタの繁栄はいかにして作られたのか?ということがよくわかる。また本文中の苛酷な労働を強いるトヨタを恨みながらも「車を買うならやっぱりトヨタを買う。」という工員のコメントが涙を誘う。