とはいえ、本書の大半はアメリカ法人類学の草分け的存在として様々な骨の鑑定を行う話であり、一般読者向けなのか、非常にわかりやすく読みやすい本になっている。殺人事件を中心に、腐敗や虫や骨の話となれば、敬遠したくなる人も多いだろうが、施設の人気を考えると(「人体の不思議」展人気にも通じるだろうか?もちろん、遺体への冒涜と否定的に捉える人もいるようだが)、だからこそ人の興味を惹きつける何かがあるのだろう。骨に関する蘊蓄(なぜ黒人の水泳選手はいないのか?などなど、既に知っていれば別だが)も仕入れられるし、何より地道な活動に頭が下る思いがする。現在アメリカで活躍している法医学者の多くは、彼の元で学んだそうだ。専門的な内容を求める読者には物足りないかもしれないが、逆に多くの人に手軽に読んでもらえる入門書と言えるだろう。