過去の株式の記録や過去の会社の業績を用いてこれ等の将来を予測しても無意味で、それから利益を得ることは出来ない。
従って、テクニカル分析もファンダメンタル分析も、気休めにはなるが無価値であると言うのがウイーク型の「ランダム・ウオーク理論」で、ハーバード大学を筆頭に著名大学の研究の一致した結果である。
猿がダーツを投げて当たった株を買った投資でも、プロの業績と大差ないのはこの為で、手数料など払わない分得である。
これが、著者マルキール教授の結論。
それでは有利な株式投資法はないのかと言うと、幅広く分散された株式ポートフォリオを買ってじっと待っていること、そして、効率市場理論の教えに従って、市場を広く代表するようなインデックス・ファンドに投資するのが一番良いと言う。
面白いのは、損をする投資家は、チューリップ・バブルの時代から、一夜にして大金持ちになれるかも知れないと言う投機の過熱・馬鹿騒ぎの中で、誘惑に負けて財産を掛ける人、と言っていること。
要するに、株投資は、ゼロサム・ゲームで、トータルすれば、プラスマイナスゼロで、卓越したプロの投資家など居るはずがなく、証券会社の勧誘や分析等当たるはずがないので、賢くなれと言うことであろうか。
投資の指南書として読めば、ご利益は半減するが、経済学書として、そして、経済社会の進化を勉強しようと思って読めば極めて有益な本である。